いよいよ今日(27日)から楽しいゴールデンウィークの始まり。
それに合わせて昨夜、久しぶりに帰省した娘が「はい、今度はお父さんの番よ」と、手渡してくれたのが「カラマーゾフの兄弟」。(岩波文庫版)

「読書は楽しむためにあるので好きな本だけ読んでおけばいい、所詮エンタメの一環だ」と、日頃割り切っているものの、それでも読書人として自負するなら一度は目を通しておきたい本というのがある。
古今東西、名作は数多いがその中で衆目の一致するところ最高峰に位置付けされているのが「カラマーゾフの兄弟(ドストエフスキー)である。
いろんな作家の自伝や随筆を読んでいると影響をうけた作家として指を屈するのがまずドストエフスキー。
直木賞受賞作家の「原 寮」さんは、「彼の本を読むとどんな人でも人生観が変わる」と断言されているし、人気作家の村上春樹さんは「カラマーゾフは通算して4回読みました。こういう本を書くのが自分の目標です。」
さらに、小説家にして精神医学の権威、加賀乙彦氏は癲癇(てんかん)の病気持ちだったドストエフスキーの「死」に対する考え方、宗教観に独自の分析をしながら著作「小説家が読むドストエフスキー」の中で次のように述べられている。
「20世紀の作家は全てドストエフスキーの肩の上に乗っている。ドストエフスキーを読まずに小説を書きはじめた人は私の周辺を見回してもいない。(116頁)
ロシア的なキリスト教の形のもとで、いずれの作品ともに犯罪、殺人が主題になっており、罪の極点を描くことで逆に神の愛が描かれている。罪も愛も無限定で極端で途方もないエネルギーに満ちていて、この作品群の究極の姿、総決算が「カラマーゾフの兄弟」です。“カラマーゾフ万歳!”(212頁)」
何ともはや!
娘は会社勤めの傍ら、4か月ほどかかって読み通したというが「最初のうちはとても退屈で、表現も難解だし苦労したけど途中からグングン面白くなるのよね。人生観に影響を及ぼすのはたしかよ。
“神はともにあるし、神は存在する”というアリョーシャの言葉がとても感動的で、少年たちとの心の交流も深く印象に残る。この本を読んでおくと、後々どんな本が来ても簡単だし、読むスピードも倍くらい違ってくるわ。しかも不思議なことにこの本は何度も読み返したくなるのよね。」
ウーム。日頃ヤワな本ばかり読んでいるので、この本を読破するとなるとよほどの覚悟が要りそうだ。娘からとてつもない無理難題を押し付けられてしまった。
まあ、いったん返しておいて「読書の秋」にでも挑戦してみるとするかな(笑)。